仕事の覚えが悪かったり、先輩に怒られてばかりだと「介護の仕事は向いていないんじゃないかな?」と思うこともきっとあるでしょう。
特にまだ入ったばかりだと、自分の仕事の出来なさ加減に、嫌気がさしてしまうこともあるかもしれません。
頑張ろうと意気込んで仕事に臨んでいるのに、肝心なところでミス連発。。。
「あぁ、何でこんな失敗しちゃうんだろ・・」
働く前はお年寄りも大好きで、興味の持てる仕事だったのに、段々と仕事に対するモチベ―ジョンや、やる気も無くなってきている人も多いでしょう。
どんな仕事でも、向き不向きがあると言われていますが、介護職に向いている人・向いていない人にはどのような特徴があるのでしょうか?
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介護職の向き不向きを現役の介護職員15人に聞いてみた
どんな人が介護職に向いていて、どんな人が介護職に向いていないのか?
現役の介護職員が考える2者の特徴について直接聞いてきたものを紹介します。
「介護職に向いている人」はどんな人?
- 思いやりの心がある
- 体力が人並みにある
- 相手の気持ちを理解しようとする心がある
- 周囲を観察する広い視野を持てること
- 人間関係を上手く構築できる人。利用者とは上手くいっても、女性の多い職員同士の人間関係が難しい場合があるから
- 人の言葉の奥にあるものを汲み取る努力が出来て、自分で考えながら行動できる人
- とにかく優しくて性格が温厚。また優しい気持ちを持ちながら厳しくできる人
- 介護に関する知識だけでなく、例えば、医療知識など、関連する他業界の知識がそれなりにある人
- 不安や不満を抱えている人に、ポジティブに明るい気持ちで接することが出来る人
- よく気がつき、弱い人を助けたい、人のために役に立ちたいと心から思える優しい方
- 高齢者に対して誠実に接する事が出来る人。また、創意工夫が好きな方
- 同じ事を何度も言われても腹を立てたりしない人
- 利用者さんに対して臨機応変な対応ができる人
- 優しいけど、その人の為に厳しく出来る人、客観的に見れる人
- 一定の接遇を意識しながら、陰でフォローすることができる人
※介護の仕事が向いている人の特徴をまとめると、
「優しい、観察力、誠実さ、考える力」
など、技術的なことよりも、それ以外の少し別のものを持っている人が向いているとみんなは思っているようです。
「介護職に向いていない人」はどんな人?
- 利用者さんを1人の人間として尊重できない人
- ずっとニコニコ笑顔で優しくしなきゃと頑張り過ぎてしまう人
- 真面目過ぎて全てやろうとしてしまう人
- 自己中心的な人
- マイペースな人。人相手なので、臨機応変に対応できる人でないと気持ちが持たないから
- 悩みを自分の中に抱え、自分を責めたり、一人で解決しようとしてしまう人
- 人の気持ちが分からず、弱い人を労わってあげる事が出来ない人
- 足腰が弱く、力仕事の嫌いな人
- 自分本意で人の為に働きたくない、あまり優しくない人
- 言われた通りにしか仕事が出来ない。応用が利かないマニュアル人間
- ながら動作が苦手な人
- 時間通りにいかないと気がすまなくて1人で慌ててる人
- マニュアル以外の行動はできない固い考えの人
- 排便や尿など汚い物が生理的に無理な人
- 自分の価値観や固定概念を押し付けるなど、相手に合わせられない。合わせてもらっていることに気付けない人
※介護の仕事に向いていない人の特徴をまとめると、
「自己中、足腰弱い、マニュアル人間、労わる気持ちがない、優しくない」
というように、自分で考えて行動するのが苦手な人や、臨機応変な対応が取れない人。
また、根本的に高齢者に優しくできないような人は向いていないとみんながそう思っているのです。
自分は介護職に向いていない!?それはいつ判断すればいいのか?
「この仕事は自分に合ってる」
「合ってない」
意見が分かれるのは、どの業界でもあること。これが普通。
ですが、問題なのは、まだ介護に就職して間もない短い期間で、向き不向きを自分で勝手に判断すること。
これは、あまり好ましくありません。
「早めに辞めるかどうか判断をした方が良い」という人もいますが、まだその仕事の良し悪しも判断がつかない状態で向き不向きを判断するのは時期尚早。
どんな仕事でも、慣れるまでには時間がかかります。
そして、楽しめるようになるまでだと、もっと時間がかかる人もいるのです。
介護の仕事が向いてないかどうかを判断するのは3年経ってから
「今の仕事を続けるかどうか?」の判断は、まずはやれるとこまでやってみてから、転職するかどうかを判断するべき。
入って3ヶ月で「辞めたい。もう無理」「辛すぎ。先輩よくできますね」と言っていた同僚が、利用者さんからの「ありがとう」と感謝の気持ちが書かれた手紙を貰った出来事をきっかけに、仕事にやりがいを見つけ、伸び伸びと仕事をしているという身近な事例もあります。
つまり、続けていたら考え方が変わることもありますし、「続けていたからこそ見えてくるもの」がそこにはあるのです。
どうしても合わないと感じるなら
介護の仕事に真面目に向き合った結果、向いていないと思うなら、退職を考えてみるべき。
介護の仕事に限った話ではありませんが、向き不向きというのは少なからずあります。
実際、仕事が続かずに最終的に介護業界自体を去る人も多いのが、介護業界の実情で、その代表的なデータが「潜在的介護福祉士」の存在です。
2009年時点では、資格はあるけど実際に就業していない「潜在的介護福祉士」が、27.5万人(介護福祉士資格保持者の「約34%」)もいると発表されました。
国家資格を持つ介護福祉士の34%が業界から離れているのです。
このデータからも、介護の仕事のきつさや賃金が仕事量に合っていないことが容易に想像できます。
ですが、やり始めた時は「辛すぎる」「もう辞めたい」と思っていても、1年、3年、5年と続けていくうちに、段々とやりがいや介護の仕事の楽しさを見いだして働いている介護職も沢山います。
介護以外の話になりますが、「○○職人」や「スポーツ選手」のように、何十年も同じことに取り組んできた人のインタビューを見ると、大体は「何度も辞めようと思っていた」「辛かった」と、皆口を揃えて言います。
つまり、今輝いているあの人も、「闇」を抱えている暗黒時代もあるのです。
職業や職場を変えたら問題は解決する?ココをしっかり見極めよう!
誰にも言えることですが、ずっと同じ職業を全うするのは、そう簡単ではありません。
ですから、「これは仕事を変えたら解決できる問題なのか?」「次の仕事では不平不満は出ないと言えるのか?」しっかり考えて退職・転職を検討してください。
実際、若い方の場合、「仕事内容が合わない」「職場の人間関係が嫌だから」と、すぐに辞めてしまう方も少なくありませんが、向き不向きというのは短期間では分からないことも多いので、しっかりと見極めることが大切です。
また、「この仕事が自分に合っているのか?適職かどうか!?」を、短期間で判断しようすると、転職した際に、常に「減点方式で評価」してしまうようになるので、悪い点ばかりに目がいってしまい
「○○だったらいいのに」
「もっとこうだったらいいのに」
と、どこに行っても不満の嵐。
ちょっとミスしただけで「この仕事は自分には向いていない」と判断してしまうようにもなってしまう恐れがあります。
「今の仕事は自分には向いていないのか?」どうかを考えるより、まずは「自分が納得出来るほど、その仕事に打ち込んでみたか?」どうかを考えてみるべき。
不満だけ垂れ流してる状態で転職しても、どんな職業に就いてもすぐに辞めてしまうよ?きっと。
最後に
介護に向いているというと、接客経験があり、明るく、元気な人というイメージをしがちですが、こういった介護スタッフだけが受け入れられる訳ではありません。
内向的な性格の人の方が、高齢者から受け入れられるケースだってかなりあります。
「明るく元気」は時に「ガサツ」にも見られますし、逆に「内向的で物静かな人」は「優しそう」と思われたりもするのです。
つまり、高齢者の数だけ介護職の形がある。
また、意外かもしれませんが、真面目過ぎる人は辞めていかれる人が多いです。
仕事ができないことに悩んだり、利用者さんからの言葉を真摯に受け止めて悩み過ぎてしまう人もいるので、「気負い過ぎの人」や「もっと頑張らないと!」と思っている人は、少し肩の力を抜くくらいが丁度いいのかもしれません。
向いている向いていないというのは経験や環境で変わるものです。
介護といっても仕事の種類は色々あるので、他の職場を検討してみるのも楽しく働くコツかもしれませんね。
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